水上アキラです。サンドウィッチマンは2007年M-1優勝のときから番組やYoutubeをずっと見てきているファンなのですが、今のお笑い芸人の中でもトップ3に入るほど人気が継続していることが不思議なほどです。
吉本や松竹のような大手ではなく、小さな事務所所属なのにです。
1万組も2万組もいると言われる芸人たちの中で、何故それだけ引っ張りだこなのか、
ネタや番組を見ながら分析してみると、人気が出る人たちはどういう人なのかが分かってきます。
普通の人でも好かれやすくなるポイント、モテるポイント、ファンになってもらうポイント、
にも注目しながらチェックしていきますね。
サンドウィッチマンのコンビ名の由来
サンドウィッチマンは、
- 伊達みきお(ツッコミ)
- 富澤たけし(ボケ、台本)
の2人で構成されているお笑い芸人ですが、元々は3人組だったことや
サンドウィッチマンという名前の由来はあまり知られてません。
結成当初は浜田ツトムという方がいて、
両端にデカいのを置いてサンドウィッチ状態なところから
サンドウィッチマンと命名されたんだとか。
富澤たけしは高校卒業からずっと芸人を目指していた筋金入りのお笑い精神を持っていました。
関西出身ならまだ分かるんですけど、仙台で芸人を志すって相当のことだと思います。
もともと面白い要素はあっても披露できる場所も限られていたでしょうし。
んで、高校ラグビー部だった伊達みきおを誘いますが、彼は普通にサラリーマンで就職してましたが、彼とじゃないとコンビはできないということで富澤は3年間かけて伊達を口説きます。
ちなみに福祉関係のサラリーマン時代の伊達さんです。(もう面白いな~これ)
結果的に、伊達は退職して1998年にコンビ結成しています。
ってか、冷静に考えて、こんなことできます?
いくら同級生だからと言っても他人の人生を自分がやりたいことに乗っからせて、
失敗したらスマン、っていう無謀な挑戦です。
普通なら
- 冗談じゃないよっ!
- しっかり人生考えなよ!
- やるなら自分だけでやれ!
みたいなことも言われそうなところなのに、
誘った富澤もアレですけど、乗っかった伊達も相当アレです。
【サンドウィッチマンが運だけじゃないポイントその1】
富澤に誘われて最終的に乗っかったときの伊達の考えは
『人生は一度切り、後悔しないように、やりたいことで生きていきたい』
という純粋な気持ちでお笑い芸人の道を選んだんです。
そう頭で考えることは誰でもできます。
やりたいことで生きるためのことを行動に移せた人だけが成功できるんです。
行動に移せないと、運を拾うことすらできません。
平凡なサラリーマン人生で、後悔して終わるだけです。
苦労した下積み時代
1998年にコンビ結成で、M-1優勝が2007年なので、約10年間埋もれていたことになります。
10年間はゴキブリやネズミも出るような東京の狭い部屋で同居して
バイトで生計を立てながら売れるチャンスを伺っていましたが
あまりに売れる将来が見えないことから、自殺も考えたことがあるほどらしいです。
富澤にしてみれば伊達を巻き込んだ責任も大きく感じていたことでしょう。
それが、東日本大震災の被災地に4億円の寄付ができるほどになったわけですから
シンデレラストーリーを体現したようなコンビです。
下積み時代は面白いエピソードもたくさんありますよね。
- 一切れの食パンを半分ずつにして食べる
- 賞味期限切れのコンビニ弁当を譲ってもらう
- 2人だけで水族館で1日過ごした
- ケンカが一度も無い
- どちらも酒が飲めない
- 目が可愛いのを色眼鏡でごまかしている
- 楽屋が別々の時に壁をトントンし合って遊ぶ
笑えない悲惨なエピソードもたくさんありました。
- オーディション時に鼻で笑われながら書類を破られる
- 富澤がうつ病になる
- 200万円以上の借金
- もやし丼が主食だった
- バイト代をパチンコで溶かす
- 病院に行くお金も無い
【サンドウィッチマンが運だけじゃないポイントその2】
伊達も逃げることなく富澤を支えていたのかと思うと、
あんな風貌なのにスゲー良いヤツって見えてくるギャップがまた人気の秘訣なのかも。
そして、何と言っても人柄です。
2人とも良いヤツらってオーラがビンビン出ているのが人々を呼び込む大きなポイントなんです。
小さな事務所でチャンスが無い
吉本なら20歳やそこらで早いうちから売れていく若手芸人も多いですが、
大手事務所の所属ならそれだけバーターとして露出も多かったり
劇場出演もあったり、テレビ出演で認知度を上げるチャンスも多いでしょうけど
サンドウィッチマンの事務所は比較的小さなところで、他の所属タレントも微妙どころが多く
彼らが看板芸人なんですね。
それでも、小さな事務所だと露出のチャンスもなかなか巡り合えず、
コントができる舞台が無ければ、2人はただのチンピラなオッサンでしかありませんから
その頃の心労と苦労は相当のものだったでしょう。
- 俺たち、この先どうなるんだ?
- 売れるキッカケが欲しい
- テレビに出てみたい
- コントを見てもらえる舞台が欲しい
- あと何年こんな生活が続くのか
という同じように悲鳴を出している売れない芸人たちは何万人もいるわけです。
【サンドウィッチマンが運だけじゃないポイントその3】
普通は、無名で無力な人間は大きな後ろ盾を欲します。
『虎の威を借る狐』ってやつです。
大手事務所に所属していてM-1で賞を取っても、その後あまり見なくなった芸人もいますよね。
しかし、サンドウィッチマンは大きなバックボーン無しで、
優勝した後も長く継続してテレビに出られて人気があるのは
本人たちの努力や実力が認められたことに共感の声が集まっているということです。
大きな団体に所属しているとバックボーンは背負えるかもしれないけど
競合も多すぎて埋もれるからという意見は、バイキングの小峠も言ってましたね。
コントは面白くても、フリートークが下手で消えている芸人も多いのに
両方ともあちこちでよく見かけるのは、つまりそういうことなんです。
サンドウィッチマンのネタが面白い理由
私はもう何十本もサンドウィッチマンのネタは見てきてますが、彼らの漫才の特徴としては、
- 下品にギャーギャー騒いだりはしない
- リズム系とか意味不明な動きで笑わさない
- ハズレのネタが思い当たらず平均的に面白い
- 開始20秒でもう笑える
- 一発ギャグは無いので1つに依存しない
- 最後に大波というより常にさざ波だが1つ1つがクスっとさせる
- 老若男女が理解しやすい
- 独特の間がある
- 『笑われている』ではなく『笑わせている』
サンドウィッチマンのネタは、言葉だけで笑わせているんです。
たぶん、漫才の一部始終を文字だけで見ても、
2人が演じてる様子が脳内再生されて爆笑できる自信があります。
富澤の台本、そしてボケが秀逸だからこその伊達のツッコミがキレッキレに冴えるんです。
富澤のセリフでは普通な言葉、まともな言葉、ってほぼ無いだろくらいに
ずっとボケとツッコミが繰り返されてるから休む間を持たせないんですよね。
【題材が誰でも分かる日常的なものばかり】
サンドウィッチマンの漫才やコントの題材は
- ガソリンスタンド
- 薬局
- 万引き
- 職務質問
- 葬儀屋
- メガネ屋
- ピザの配達
- ハンバーガーショップ
- 結婚式のスピーチ
- 旅館
- パソコン教室
- 紳士服店
- スポーツジム
- 学習塾
- 携帯ショップ
- 引越し
- ファミレス
- 結婚相談所
- 写真屋
などとにかく日常的であり、誰でも理解しやすい舞台で構成されてます。
それと、一発ギャグではないけど、サンドウィッチマンと言えば思い出すセリフに
- 『興奮してきたな』
- 『間違いないね』
- 『ちょっと何言ってるか分かんない』
- 『もういいぜ』
などは多くのネタで使われてて、ネタによって言い回しが変わってるから
どのタイミングで出てくるか予想できず笑えてしまう。
【サンドウィッチマンが運だけじゃないポイントその4】
誰にも分かる普通の舞台を使って、
言葉だけで人に笑いを起こさせるスキル、
を持ち合わせているところがウケている秘訣なんです。
どんな人にでも伝わるには、ありふれた光景が一番だということ。
そして、言葉だけで人の感情を動かすことはできるということです。
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