首都直下地震マグニチュード8のシミュレーションの結果と被害想定

ヤバい話

水上アキラです。今は平穏無事に過ごせている東京ですが、首都圏直下型地震はいつ起こってもおかしくないというのが報道でもあちこちで言われています。

関東の首都圏で起こるとしたらマグニチュード8も有り得るとされていて
この規模は東日本大震災レベルです。

200年が周期となっていて、1923年の関東大震災から100年が経とうとしているので
ある程度の覚悟はというところ。

(政府による首都直下地震シミュレーション)

 

なお、ページ下のほうでは、1923年の関東大震災で撮られた実写映像もあります。

 

阪神淡路大震災でさえマグニチュード7.3

 

まだ耐震性に疎かった20年前の阪神淡路大震災のときですら
マグニチュードは7.3であり、8ともなると
そのパワーは32倍にも膨れます。

マグニチュードとは、地震のパワー、
震度とは、私たちが感じる揺れの指標です。

 

マグニチュードと震度の違いはこちらを参照。

マグニチュードと震度の違いは?

 

電車はほぼ全てで脱線

 

この東京で首都直下地震が起きると交通網として
最も目立つものとして電車の被害が多数出ます。

東京に繋がる電車は地方に住む人をパイプのように運ぶわけですが
利用者数は1000万人以上にもなり、
『電車が止まる=人の流動性も止まる』
ということになり、近隣の商店からは食べ物も無くなり
大パニックが引き起こされます。

 

震度6で運行中の20%が脱線、
震度7で95%が脱線や電柱倒壊で走行不能に陥るようです。

 

地下鉄は停電時のための予備電源が付いてますが、
40分しか保つことができません。

地下で停電になると空調も止まります。

人でごった返しているので蒸し暑くなり
二酸化炭素が濃くなり、頭痛、目まい、意識不明、昏睡、となります。

救急車はもちろん入ってこれません。

 

地上はすでに壊滅状態なので人間が溢れかえっており
外にも出られず、エレベーターも止まり、
身動きが取れなくなります。

地下鉄にいるよりは地上のほうがまだマシと言えそうです。

 

地震発生の時間帯も重要

 

阪神淡路大震災のときは、1/17の朝5:46に発生でした。

なので電車も地下鉄も始発が動いたかどうかのタイミングであり、
上記のようなまでの被害にはならずに済みました。

帰宅困難者を生まずに家族が自宅にいられた時間だったのです。

 

東日本大震災のときは3/11の昼過ぎ14:46に発生。

家族がバラバラな状態で起こり、車通勤の多いエリアなので
大渋滞によって身動きが取れない状況でした。

 

1923年の関東大震災のときは、9/1の11:58という正午であり
昼食の準備に追われてあちこちで火が出ているタイミングでした。

もし、これが現代の東京で昼12:00に発生すると
当時より建物と人口は多いので
『中で火が付いている建物が崩れていく』ことで
たき火に薪をくべていく状態と同じになります。

火のスピードも当時より早いでしょう。

 

東京は木造や古い建物も多い

 

原宿や青山通りを見ていると新しくて綺麗な建物ばかりで
いかにも大都会の東京、っていう印象がありますが
路地裏に一歩入ればそこは昭和から変わってない
古い住宅街もあります。

大田区などは職人の腕で成り立ってきた古い工場も多く、
墨田区のスカイツリー周りだって歩いてみると
昔ながらの古い商店が点在しています。

下町なんかも本当にそうです。

 

これらの建物の全てが耐震に強いわけもなく、
木造住宅街なら火が次々と燃え移って
消防車も全く追いつかないほどのスピードで焼けていきます。

地割れで家も飲み込まれる場所も出てきます。

60万戸の自宅が焼失するとの想定も。

 

エレベーター閉じ込め

 

緊急停止するエレベーターが続出します。

昼時の高層ビルなんかは満員状態が当たり前になっていますが
そのまま停止してしまいます。

空調も止まり、熱が充満する狭い空間です。

汗が出続け、トイレにも行けない時間が何時間も想定されます。

 

液状化現象

 

東日本大震災のときに露呈したのが、
首都圏での液状化現象です。

液状化による自宅崩壊も2万件が想定されています。

浦安市や江戸川区など海面に近い場所や埋め立て地で
コンクリートが揺れ動いたり、
マンホールが沈んでいく様子も撮られました。

 

火災旋風がやってくる

 

建物が破壊され、電車が止まり、歩行者が1000万人もいる状態になると
道端で座り込む人や見通しの良い広場に集まりやすくなります。

新宿など高層マンションの密集地では『火災旋風』が
高さ200mほどにまで登っていき猛威を振るいます。

ビル内の温度も急上昇して40度50度にまで達するのに
高層階では窓が開かないビルも多く
エアコンが作動していないので蒸し焼き状態です。

 

火災旋風とは、気流が旋回したところに瓦礫やゴミを吸い上げて
そこに火が付いた状態を指します。

 

関東大震災では、やっとの思いで広場や避難所に逃げ込めた
4万人のうち38000人が火災旋風に飲まれて亡くなっています。

広場で人間が密集しているので逃げることができず、
家財道具や衣服を大量に持ち歩いており、
地面に捕まるものも無く、ただでさえ人間は燃えやすい素材なので
その恐怖は想像しただけでゾッとします。

余りの熱さで川に飛び込んでも人間や動物の遺体が流されてくる中で
病原菌の感染や、意識を正常に保つことすら厳しくなります。

 

病人やケガ人が救出できない

 

家屋の倒壊、落下物の下敷き、転倒、など
数十万人規模で負傷者が出てきます。

遺体がそこら中に転がる光景が当たり前になります。

普段の日常でさえ救急車も医者も不足しているというのに
災害時に期待できるわけがありません。

 

入院患者たちも病院が電気・ガス・水道の停止によって
機器が作動しなかったり食事が与えられず
ベッドの上を保つことが精一杯になります。

 

海抜0m地帯は浸水

 

東京は海に面していて、高度が無いことでも有名です。

荒川などが氾濫すればあっという間に
街が水で覆われます。

交通マヒどころではありません。

電気・ガス・水道のインフラが広範囲で止まります。

 

水が引くまでには3週間も4週間も掛かります。

その間に病原菌が蔓延するようにもなりますが、
やはり医者も薬も無い状態です。

 

1000万人の帰宅困難者

 

東京にいる人の多くは、職場や学校など
地方から通っている人たちです。

焼け野原状態の東京で、交通網もマヒし、
帰る手段は徒歩のみです。

路上では食料の強奪があちこちで発生し、
政府や警察もマヒしているのを良いことに犯罪も多発します。

人間から理性が消えていくのです。

 

5日も10日も歩き続けて、やっとの思いで家族のいる自宅に帰るも
自宅だって倒壊、焼失しているかもしれません。

 

政府公開の被害想定

クリックしてtokyo03_kato.pdfにアクセス

 

1923年の関東大震災で撮られた鮮明な実写映像

 

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