水上アキラです。最近やたらと何度も見かけるようになっている番組に『チコちゃんに叱られる!』があるんですけど、これ結構面白いですね。
実は、チコちゃんは金曜夜が本放送で、土曜朝が再放送、って知ってました?
視聴率も土曜朝は朝ドラ後というのもあり
全国平均14%とか叩きだすまでに上っていて、
たぶん放送当初はNHKも結構チャレンジだったと思うんですよね。
いかにもNHKの若手スタッフたちの企画っぽい感じはするんですけど、
今までのお堅いイメージだけじゃないんだよという方向性も感じられます。
んで、何故こんなに視聴者たちにもウケているのか?と考えたときに、
幾つものマーケティングスキルに通じるポイントが見えてきたんです。
売れる商品にも共通点があるんです。
きっとあなたのビジネス感覚にも響くものがあると思いますよ。
老若男女にウケやすいキャラ
チコちゃんの仕組みは次の項目で話しますが、とてもキャラ立ちしてますよね。
『5歳児なのに大人より物知りのツッコミ担当』という設定と
『ボケ芸人の岡村さん』との会話のキャッチボールがあるからこそ
チコちゃんが活きています。
あれでMCもゲストもチコちゃん同等の物知りたちだったら、
せっかくのクイズも正解連発で全く面白くありません。
5歳児らしくワガママっぽさ、駄々っ子、口うるさい、
などがどの家庭にもいるような光景だからこそ
視聴者たちは親近感を抱いてます。
なのにちょっと物知り風で、毒吐きで、小憎たらしさもある中で
ついつい可愛いさもあって目が離せない状態にさせられます。
番組スタッフ側は製作にあたり視聴者ターゲットも決めていたと思いますが
老若男女が理解しやすくて純粋に楽しめるキャラクターなんじゃないかなと。
ちびまる子ちゃん風ですし、プロデューサーが元フジテレビ系みたいですし。
国民ウケを読んだとしか思えない。
あなたが仕事をする上でもなかなか老若男女に受け入れられることって
そうそう無いはずですから参考になる部分は多いと思います。
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最新で流行の技術を使っている
世の中のヒット商品にはだいたい最新&流行の要素がありますよね。
動いて話すチコちゃん人形の仕組みは、顔はCGで胴体はリアルな人形になっています。
胴体には岡村さんが手で触れてますからね。
チコちゃんのCGの仕組みを調べてみたところ、
- 収録時は顔も合わせて全身が着ぐるみ
- ボイスチェンジャーの木村祐一の声に合わせて動く
- 収録された映像を編集するとき顔だけCG化させる
- 放送
という、1本作るのにかなりの労力が掛かりそうなのが見えてきました。
キズナアイなど『バーチャルユーチューバー(VTuber)』が
2018年の流行でよく見慣れるようになりましたけど
このCG&着ぐるみというのは、あまり見られない手法であることで
オリジナリティを感じさせていますよね。
すぐに他番組で似たようなのが出てこないということは、
何かの権利関係だとか高等技術なのかもしれません。
スーツアクター、表情、声役の木村祐一、リアクション、
があまりにも絶妙に組み合わされてることも素晴らしいコンテンツになっています。
一瞬でお客さんの目を留まらせる
あれが単なる全身着ぐるみなだけのチコちゃんだったら、
それほど話題性は無かったでしょう。
CGでの多種多様な変化が見る人の視線を一発で奪っていきます。
- 一体どうなってるの?
- どういう仕組みなの?
- 赤くなったり大きくなったり!
と物凄いインパクトによって魅了しています。
広告を出すときも多くの会社が『目を惹けるインパクトの方法』を模索しますよね。
どんなに良い画像やキャッチコピーを出しても、
人間の目は、1秒しか視認しません。
次の瞬間にはもう他のことに興味がいきやすいのです。
そのたった1秒の間にいかに目をそのまま留めてもらうかが重要なんですね。
チコちゃんはそれができているからチャンネルを変えられることなく
そのまま放送を見続ける人が増えて視聴率が上がっているわけです。
記憶に残りやすいフレーズがある
この「ボーッと生きてんじゃねえよ!」という強烈なキャッチフレーズが
よりキャラクターの個性を強くしていますよね。
真っ赤な大きな顔して鼻息プーっとするのは
チコちゃんが毎回必ずやるお決まりのアクションです。
土曜だと朝から下品な言葉だという批判の意見も多少あるようですけど、
キャッチコピーやキラーワードを考える人から見ると、
- すぐ顔を思い出せる
- ボーッとという音感が使われてる
- 耳にしばらく残りやすい
- 子供でもマネしやすい
- 視聴者への呼びかけ
などの売れるコピーの要素も含まれているんです。
世の中には多くのコピーライターがいても心に残る文章はごくわずかであり、
このようなキャッチフレーズは売れる広告やサイトには必須の存在です。
相当練って考えられたフレーズだと思われ、作り手の優秀さが伺えます。
経費削減もできている
テレビ離れとか不景気とかで局側も昔のような予算が出せず、
しかもNHKなこともあって、スタジオ収録が多くなってますよね。
ロケだと何十人分の食事やロケバスの費用や、
団体行動や現地までの交通費などお金が掛かりやすいのが
スタジオ収録だとMCとゲストにトークしてもらうだけなので
経費削減ができます。
チコちゃんのCGやスタッフも特別な高給取りでも無いはず。
なので、限られた予算の中で始まる新番組の前提として
スタジオ収録できるクイズ番組が多いのが最近の流れなんですよね。
ただのクイズ番組じゃコンテンツとして面白味が無いので
そこにチコちゃんが登場しているだけで
今までとは全く違う新感覚の番組作りが叶ったのだと思います。
『少ない予算&高視聴率』、って最強の組み合わせですよね。
マーケティングをする人にとっても、『少ない広告費&高売上』なのと同じです。
そこからさらに利益を伸ばすなら
安売りしなくていい方法も交えていきましょう。
人間は雑学が好き
人間は唯一知能を持つ生物であり、新しい情報を吸収すること、
つまり勉強が日常的に習慣になっています。
新しい知識を持っていると他人から、
- 喜ばれる
- 感謝される
- 褒められる
- 点数を付けられる
- 評価される
- 自信を持てる
などメリットが多いので、また新しい情報を吸収したい欲求が生まれます。
人間はたくさんの欲求を満たすために生活しています。
マーケティングでも人間の欲求を刺激することで
売れる売れないが分かれてきます。
悩みを解決されるときにも欲求は満たされますよね。
教授の解説によって信頼性アップ
チコちゃんだけがふんぞり返って回答を述べているわけではありません。
ちゃんとその根拠となる部分を
VTRで大学教授、研究者、博士、などが解説してますよね。
人間は、いわゆる『識者』など
第三者の権威を持つ人からの意見は丸のみにする傾向があります。
あの大学の、あの大企業の、あのブランドの、
という人が言うのなら間違いない、と納得するんです。
これはマーケティングでも強い効力があり、多くの場面で使われています。
まとめ
チコちゃんがなぜ面白いのかをビジネス目線で考えていくと
多くの対策が考えられていることが分かりますね。
「ボーッと生きてんじゃねえよ!」というフレーズも案を練りに練って作られ
編集のときに慎重にCGと声を合わせられているのか想像すると
相応の努力の末に放送されているというのが予想できます。
今回述べてきた内容を思い出しながら放送を見てみると、
こういうところを仕事に活かせるかもというポイントも見つかるかもしれませんよ。
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